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2022.04.29

寺院の檀家とは?費用や問題点・メリットやデメリットを解説

目次

仏教徒の方と寺院との関係性を表す言葉に、檀家という言い方があります。この言葉は、仏教を信仰する方でなくても耳にしたことがあるのではないでしょうか。それくらい広く浸透している概念ですね。

しかし、実際に檀家となった場合にどのようなことをする必要があるのかや、費用はどのくらいかかるのかといった事柄はあまり知られていません。

そこで今回は、「檀家になりたいけれど、どのような手順を踏めばいいのか分からない」「出費が多いと聞くが、どれくらい必要なのだろう」といった疑問をお持ちの方に、檀家に関するお役立ち情報をお届けします。

興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお目通し下さい。

家よりも個に重きを置く浄土真宗では、檀家とは呼ばず門徒と表現します。

檀家とはどういう意味?分かりやすく解説

檀家とは、菩提寺(ぼだいじ)と呼ばれる特定の寺院と深い付き合いをしている家庭のことを指します。

具体的には、寄付・護寺費(護持会費)などによる経済的支援や、境内の掃除・行事の運営といったお手伝いを通して、その寺院を守り立てていく役目を担っています。

もともと檀家とは、江戸時代に施行された「寺請制度(てらうけせいど)」によって始まったものでした。この制度により、全国民はいずれかの寺院の檀家となることを義務付けられたのです。

これは現在でいう戸籍制度のようなもので、当時の幕府が民衆を管理する目的と、キリスト教の拡散を防ぐため、この2つを主旨として実施されました。

しかし寺院と檀家との関係は、そういったお役所的な繋がりだけではありません。当時の寺院では寺子屋が開設され、地域住民に対して学問や生活の知恵を授ける重要な場所となっていました。

寺院は檀家なくして存続し続けることが困難なので、みんなで寺院を守り立てるために寄進を行った、そんな相互扶助が成り立っていたのですね。

もちろん現在では、寺子屋制度はありません。しかし葬儀や先祖供養の場をはじめ、寺院との交流の機会は日常的に存在します。

檀家となって菩提寺との関係を深め、寄付やお布施を通じて寺院の存続を支援することは、仏教徒としての重要な役割と言えるでしょう。

浄土宗においては檀家の定義が少し異なり、菩提寺にお墓を持っている方のことを指します

檀家になるメリット

檀家になると、どのようなメリットを受けることができるのでしょうか。

主なものとしては、以下の4つが挙げられます。

法要を優先して対応してもらえる

葬儀や法要の事前相談が可能

様々な相談事にのってもらえる

お墓のある寺院やお寺なら管理・維持をしてもらえる

各項目を順に見ていきましょう。

法要を優先して対応してもらえる

檀家であれば、その菩提寺からの法要を優先的に受けることができます。寺院のご住職は、檀家以外にも病院や葬儀社など様々な方面から法要の依頼を受ける機会があり、日程が重なってしまうことが往々にして発生します。

しかし多くの寺院ではご住職一人で対応されていて、同時に手を回すことができません。つまり、どちらかを断らなければならない状況が発生してしまうのです。

そんな時にも、檀家であれば優先してスケジュールを組んで頂けます。法要や法事を行う際には遠方から親族一同が集まることも多く、何度も日程調整を繰り返すのは容易ではありません。

もちろん檀家だからといって要求が必ず通るわけではありませんが、そのような心配をあまりせずに済むというのは大きなメリットとなるでしょう。

葬儀や法要の事前相談が可能

葬儀の喪主になるというシチュエーションは、人生においてあまり頻度の高いものではありません。そしてその機会は、予期もせずある日突然やってくるかもしれませんね。

経験も事前知識も無い状態で、いざ自分自身がその立場となったと考えると、不安に感じてしまいませんか?

そんな時に頼れるのが、菩提寺の存在です。葬儀の準備や進行をスムーズに取り仕切るためには、その方面の知識に長けた方に相談するのが最も安心できる方法です。

その相談相手が実際にお通夜(つや・つうや)や告別式を行って頂くご住職当人であれば、なおさらのことでしょう。特に近しい人物を亡くしてしまった直後は、精神的に混乱してしまいがちです。信頼できる人とゆっくり話をすることで心を落ち着かせることができる、という側面も持ち合わせています。

初対面となるご住職に葬儀をお願いするよりも、円滑に物事を進めることができるでしょう。葬儀を終えた後の、忌日法要(きじつほうよう)や年忌法要(ねんきほうよう)を行う際も同様です。

事前準備で注意すべき点や進行の仕方など、分からないことがあれば気軽に質問できる人が身近にいるというのは、何ものにも代えがたい安心感を得られます。

様々な相談事にのってもらえる

法事や法要以外の面においても、冠婚葬祭に関するマナーや先祖供養の方法などで心配事があれば、ご住職に相談してみましょう。これらの事柄は様々な要因が絡んで作法が異なることも多いので、同じ地域に住まう同宗派のご住職に伺うのが確実です。

またご住職によっては、プライベートな悩みの相談にのってくれることもあります。家庭内の悩みや職場のトラブル、将来の不安など、他人に話しにくい問題を抱えている時には、いちどご住職に打ち明けてみてはいかがでしょうか。

普段から深い付き合いがありお互いのことを理解している関係性であれば、より適切なアドバイスをして頂けることでしょう。

お墓のある寺院なら管理・維持をしてもらえる

寺院の境内にお墓を持っている場合は、その維持と管理についてもしっかり行って頂けます。お墓参りに行けない状況が長期間続く事情ができたとしても、お墓が荒れ放題になってしまうという心配をしなくて済みますね。

また多くの場合、境内の墓地と本堂との距離はそう遠くありません。ご住職の読経が聞こえる場所にお墓があれば、中で眠る方にとっては素晴らしい環境といえます。

これは公営や民間の霊園にはあまり見られない、寺院墓地特有のメリットです。

檀家になるデメリット

檀家になることによって、メリットばかりを受けられるわけではありません。

幾つかのデメリットも発生します。

入檀・離檀・寄付など様々な費用がかかる

檀家として行事の運営や法要の準備を求められることも

この2点について、以下に詳しく述べて参ります。

入檀・離檀・寄付など様々な費用がかかる

檀家になる際には、基本的に入檀料をご住職へお渡しします。なかには不要のところもありますが、入檀料は「これから檀家としてそちらの寺院にお世話になるのでよろしくお願いします」という気持ちを表すためのものなので、特に指示がない場合はお渡しするようにしましょう。

また事情があって檀家を離れることになってしまった場合には、離檀料が必要です。その他にも、本堂の建て替えや境内の整備など多額の出費が必要となった場合に、寺院側から寄付金を募られることがあります。

普段からお世話になっている寺院の存続のために、無理のない範囲でサポートしましょう。

各種法要時には檀家でなくともお布施の費用はかかる

各種法要を行う際には、そのお礼としてお布施をご住職にお渡しします。これらのお布施は檀家でなくても必要な出費となるので、檀家であることがその負担額に直接影響を与えることはありません。

ただし檀家になれば、菩提寺で行われる合同法要などへの参加機会が増える可能性が考えられます。そういった意味では、渡すお布施の総額が多くなると言えるかもしれませんね。

檀家として行事の運営や法要の準備を求められることも

多くの寺院では、年間に幾つかの行事が行われます。お釈迦様の誕生日を祝う灌仏会(かんぶつえ。花まつりとも)や、新年に行われる修正会(しゅしょうえ)などがその代表的なものでしょう。

このような行事の運営やその際に行われる法要の準備などには、多くの人手が必要です。その際に檀家が集まって、ご住職のお手伝いをするのです。

仕事などで都合が付かない場合は仕方がありませんが、檀家としてはできるだけ参加して菩提寺の手助けをしたいものですね。その他にも境内の掃除や、蔵・倉庫の片付け作業などを手伝うこともあります。

金銭的な面だけでなく、このような人手が必要な場面での支援も、檀家の重要な役割となるのです。

檀家になる際・なった後にかかる費用

特定の菩提寺を定め、その寺院の檀家となるには費用がかかります。また檀家となった後も、寺院に対して様々な出費が必要となります。

具体的には以下の4つの出費機会があるので、頭に入れておきましょう。

入檀料

護寺費(護持会費)

寄付金

離檀料

それぞれを解説いたします。

入檀料

檀家になる際に、寺院へ渡すお礼金のことを入檀料と言います。相場としては3~20万円ほどになります。檀家規則によって額が定められている場合は、それに従います。

なかには不要の寺院もありますが、入檀料は檀家側からの気持ちを表すものですので、渡したいのであれば用意しても構いません。ただし、ご住職が固辞されているのに無理やり渡すのは逆に失礼に当たりますので、気を付けましょう。

護寺費(護持会費)

檀家になると、定期的な護寺費の支払いが必要になります。護寺費の考え方は寺院によって異なり、境内墓地にお墓を持っていない場合は支払い不要というケースもあるので、詳しくは檀家規則を確認してみましょう。

年間あたり5千円~3万円が目安となります。

寄付金

老朽化した設備の改修や新たな施設の設置など、大きな資金が必要となる取り組みを寺院が行う際には、寄付を求められることがあります。

その工事の規模によって寄付金の額も変わりますが、多くの場合は「一口あたり◯◯万円」という感じで目安が示されます。もし幾ら寄付すればよいのか分からない場合は、檀家総代に相談してみると良いでしょう。

檀家総代とは  檀家を代表し、ご住職と各檀家との間を取り持つ立場の方

離檀料

引っ越しや改宗を機に檀家を離れることになった場合は、それまでお世話になったお礼として、ご住職へ離檀料をお渡ししましょう。入檀料と同じく3万円~20万円が相場ですが、檀家規則に額の表記があればそれに従います。

最近では少なくなりましたが、過去には数百万円といったような高額の離散料を請求されるケースが稀に見られました。もし法外な金額を要求されたとしても、言われた額をそのまま支払う必要はありません。

あくまでも自分のできる範囲で、感謝の気持ちを包むようにすれば大丈夫です。

檀家は辞めることが可能

檀家とは個人でなるものではなく、家単位で寺院とお付き合いをすることを意味します。親がとある寺院の檀家になっていた場合は、望むと望まざるとに関わらず、自分も檀家の一員となっているのですね。

もし自分が家督を承継する立場であった場合、親が亡くなった後は檀家の代表者の座も受け継ぐことになります。

しかし親とは違う宗教を信じていたり、金銭的な面で続けることが困難な場合などは、檀家を辞めるという選択肢を取ることが可能です。他にも引っ越しなどの理由で、檀家を辞めざるを得ない事態も考えられるでしょう。

檀家であり続けることは、誰にも強制されるものではありません。

離檀をする方法

では実際に檀家を離れる場合には、どのようにすればよいのでしょうか。

寺院によってその方法に違いはありますが、おおよそ以下の手順を踏むことになります。

①親族に相談する

②菩提寺に相談する

③必要書類を持参する

以下に、各項目を詳しく解説いたします。

手順1.親族に相談する

まずは親族に相談することが重要です。

法的にはお墓の名義人(承継者)に全ての権限があるのですが、独断でものごとを進めると親族間でのトラブルに発展しかねません。離檀を考えている理由を皆に説明し、全員から同意を得られるまで協議を重ねましょう。

また、一度離檀の手続きをしてしまうと、「やっぱり檀家に戻ります」ということも事実上難しいので、慎重に行動する気構えも必要です。

離檀したあとは別の寺院の檀家になるのか

あるいは特定の菩提寺は持たないのか

その場合は今後の法要をどうするのか

そういったことも事前に考えておかなければなりません。いずれにしても気軽に行えるものではないので、離檀を検討する際は、起こり得る問題を入念に想定しておきましょう。

手順2.菩提寺に相談する

親族内での同意を得られれば、菩提寺へ出向いてご住職へ事情を説明し、離檀を考えている旨を相談します。

事情によっては離檀をしなくても済む良い方法を提案して頂けるかもしれませんので、ご住職の話にも耳を傾けておきたいところです。ご住職との話がまとまれば、離檀にあたって必要な書類や、お墓の事後処理の方法などを伺っておきましょう。

手順3.必要書類と離檀料を持参送付する

日を改めて、必要書類と離檀料を寺院へ持参します。今までお世話になったお礼の言葉とともに、それらをお渡ししましょう。

書類の内容に不備がなければ、離檀の手続きは完了です。お墓がまだ境内に残っている場合は、できるだけ速やかに石材店へ撤去工事を依頼しておきましょう。

離檀の際に気をつけておくこと

離檀の手続きを行う際には、気をつけておきたい点が幾つかあります。とはいっても難しく考える必要はなく、常識の範囲内で菩提寺とそのご住職に対して、失礼のないようにすれば大丈夫です。

具体的には、以下の2点に注意しておきましょう。

菩提寺への礼を尽くす

一方的な離檀の申し出は避ける

それぞれについて、解説いたします。

菩提寺への礼を尽くす

離檀の際には、何よりも菩提寺のご住職に対して礼を尽くす気持ちを持って行動しましょう。特別な何かをしなければいけない、というわけではありません。

自分自身だけでなく、家族やご先祖も含めてずっとお世話になってきたことを念頭に置き、その感謝を素直に表せば良いのです。

立つ鳥として、後を濁したくないものですね。

一方的な離檀の申し出は避ける

ご住職に離檀の意向を伝える際、「檀家をやめます」と一方的に告げるのはあまり感心できません。まずはご挨拶がてら何気ない日常会話から入り、徐々に話を核心へと移していきましょう。

理由が込み入ったものでない場合は、離檀の話を持ち出す前にその事情を伝えます。「実は来月に遠方へ引っ越しすることになりまして…」というように切り出せば、ご住職も察してくださることでしょう。

あまり人に話すべき内容ではない複雑な経緯があるのなら、「私事の事情により、申し訳ないのですが…」と前置きして離檀の話を始めれば大丈夫です。

檀家に関するよくある質問

ここからは、檀家についてよく耳にする質問や疑問に答えて参ります。これから檀家になることを考えている方も、既に檀家になっている方も、ぜひ参考にしてみて下さい。

檀家制度の問題点はありますか?

檀家制度の大きな問題として、お金にまつわる点が挙げられます。檀家を続けていくには、どうしてもある程度のお金が必要です。入檀料や護寺費など、決して少なくはない額の出費は避けられません。

しかもその出費額は一定量ではなく、突然の寄付の依頼などがあることが、檀家への更なる負担となってしまっているのです。

またごく一部ではありますが、その立場にあぐらをかいて、檀家から不必要に多くの寄付を集めようとする寺院も存在しました。しかし最近では多くの寺院が、寄付金の使途をきちんと檀家に開示しています。

寄付金が目標額に届かなかった場合に追加の寄付を募るのではなく、集まった予算に応じた内容へ目的を変更するという手法を取る寺院も多く見られます。

それらの出費に納得できるのであれば、菩提寺と檀家との良好な関係を続けていくことができるでしょう。

菩提寺と檀家寺の違いはなんですか?

この記事内で扱った「菩提寺」という言葉以外にも、「檀家寺」という呼び方を聞いたことはありませんか?その際に、菩提寺との意味の違いがあるのかを疑問に思われた方もいらっしゃることでしょう。実は檀家寺という言い方は間違った呼び名です。

正しくは「檀那寺(だんなじ・だんなでら。旦那寺とも)」と表記します。現代においては、菩提寺と檀那寺はほぼ同義として使われていますが、厳密には、かつて両者は違う意味の言葉として扱われていました。

檀那寺とは自分の家が檀家としてお世話になっている寺院のことを指し、菩提寺とは檀家であるかどうかに関わらず、葬儀や法要を依頼している寺院を意味します。

ですので記事内で「菩提寺」と表記しているところも、本来であれば「檀那寺」とするのが正しい用法です。ですが菩提寺という言葉がより広く一般に浸透しているため、本記事では分かりやすさを優先した表記といたしました。

離檀料を払わないとどうなりますか?

結論としては、「法的には何の問題もない」というのが答えです。離檀料に、法的な支払い義務は存在しません。

ただし、だからといって「一銭たりとも払うつもりはない」という姿勢は、一般的な社会通念上まかり通らないでしょう。それまでお世話になったことを謙虚な姿勢でご住職にお伝えし、その感謝としての離檀料を今の自分にできる範囲でお渡ししたいものですね。

檀家規則に、離檀料に関する事項が明記されている場合は、支払い義務が発生する場合があります

檀家のないお寺はありますか?

檀家を持たない寺院も、数は少ないながら存在します。一般的な寺院では、主に檀家からの寄付やお布施によって運営が賄われていることは先に述べました。

では檀家のいない寺院はどのようにして財源を確保しているのでしょうか。多くの場合は、拝観料や祈祷料、お守りやおみくじの売上などで工面しています。

つまり、観光客が多く訪れるような有名なお寺ということですね。最近ではその他にも、自発的に檀家を取らない寺院というのも少しずつ増えてきています。

その多くが「従来の檀家と同じように法要や葬儀の際には駆けつけますが、寄付をお願いすることはありません」という方針で、寺院を運営されています。お金のかからない寺院との付き合い方を模索した、新しい取り組みといえるでしょう。

檀家の寄付は義務なのでしょうか?

檀家の寄付は、義務ではありません。寺院が強制できるものでもなく、檀家が自らの気持ちに従って自発的に行う行為なのです。

とはいうものの、檀家とは寄付やお布施によって菩提寺を支える存在という前提がありますので、寄付を全くしないという考え方は、そもそも檀家としてふさわしくありません。

寺院の繁栄のために自ら寄進をする、その行為が檀家の重要な役割なのです。しかし寄付をしたくても、そのお金を用意できないという場合も考えられますね。

寄付の額を工面することができない事情が一時的なものであれば、檀家総代に相談を入れて、一時的に免除してもらうなどの措置を取ることができます。

しかし今後もその状況が長く続くことが予想されるようであれば、離檀も視野に入れる必要が出てきます。その際には親族で集まって、話し合いの場を持つようにしましょう。

最後に

今回は檀家について、様々な角度から解説してまいりました。普段から檀家として寺院の活動に参加されている方であれば、よく見知った内容だったかもしれませんね。

ですがそうでない場合、檀家と寺院の関係がいったいどういうものなのかを知る機会は、あまり多くありません。そういった方々が、今回の記事を読んで理解を深めて頂けたなら幸いです。