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2021.10.18

戦没者の遺骨含む土砂を巡り反対運動が勃発

目次

全国の地方議会で相次いで可決

沖縄戦で亡くなった犠牲者の遺骨が含まれる土砂を辺野古の埋め立て工事に使うことは人道上、許されない――そうした趣旨の意見書が全国の地方議会で相次いで可決されています。太平洋戦争末期の1945年、米軍を主体とする連合国軍(米英)と日本軍が繰り広げた沖縄の地上戦は数ヵ月に及び、とりわけ最後の激戦地となった本島南部は、多くの日本兵や民間人が犠牲となりました。両軍及び民間人を合わせて20万人以上が亡くなっており、今でもボランティアらによる遺骨収集が行なわれています。辺野古は米軍普天間飛行場の移設先(宜野湾市、写真上)で、その軟弱地盤を改良するための土砂の採取候補地に本島南部が入っていることが判明し、それが今回の反対運動に発展しました。

 

沖縄戦の日本人犠牲者は47全ての都道府県に

なぜこの運動が全国規模に発展したかというと、それは沖縄だけの問題ではないからです。沖縄戦の日本側の死者・行方不明者は18万8,000人余り、うち沖縄出身者は当時の県民人口の約4分の1に当たる12万2,000人余り(そのうち民間人が9万4,000人)。沖縄県外の出身者は約6万6,000人で、46都道府県全てにまたがっているのです。2016年施行の戦没者遺骨収集推進法により、第二次世界大戦で亡くなった日本兵や民間人の遺骨収集は国の責務となっており、可決した意見書の中には「政府が主体となって戦没者の遺骨収集をすべき」との意見もあったそうです。この問題に対して岸信夫防衛相は、仮に本島南部の土砂を使った場合と前置きした上で「ご遺骨の取り扱いなどは契約関係の中で明記し、採石業者によるしっかりとした対応を求めていく」としています。

 

戦没者の尊厳を守ることはBLM運動とも共通

黒人に対する暴力や人種差別の撤廃を求める運動は「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命も大切だ)」の掛け声に代表されるBLM運動として世界各国に波及しましたが、今回の遺骨を巡る問題は、さしずめ「戦没者の遺骨も大切だ(決して粗末に扱ってはいけない)」と言えるでしょう。政府による遺骨収集事業で、これまで遺留品のない遺骨のDNA鑑定は、沖縄県と硫黄島(東京都小笠原村)、タラワ(太平洋戦争で激戦地となったキリバス共和国の首都)環礁に限られていましたが、今年度から地域を限定せず遺族からの要望に応じて照合することになりましたので、その結果も注視する必要があるでしょう。