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石碑に刻まれた天体への祈り

目次

江戸時代に月待行事が全国で流行

特定の月夜に集まる月待行事(勤行ごんぎょうや飲食を伴う念仏講中)は江戸時代に全国で流行し、その記念に建立されたのが「月待(信仰)塔」です。月齢の当たり日により十三~二十三夜塔(=写真上は東京・中野区野方の二十三塔)、二十六夜塔、七夜待塔などがあり、特に関東や長野などで多く見られます。

女性と月のただならぬ関係とは

月の満ち欠けは、女性の生理や出産と関わりが深いと古くより考えられてきました。月は約29.5日周期で、新月→上弦の月(半月の直線部=弓の弦が上の位置にある状態)→満月→下弦の月(半月の弦が下の位置にある状態)を繰り返します。また女性の生理は、月経期→低温期→排卵日→高温期とほぼ月と同じ約28日周期で繰り返しますが、月経や排卵、あるいは妊婦さんの陣痛は満月や新月の日に起きやすいと言われているのです。また陣痛は、潮の満ち引きの差が最も大きくなる大潮との関連性も指摘されています。潮の満ち引きは、月の引力によって引き起こされるためで、大潮は満月と新月に起きる現象なのです。一説によると、子宮内で胎児を保護する羊水の成分は、水素・酸素・ナトリウム・塩素で、海水の成分とよく似ているため、妊婦さんの体調も月の引力の影響を受けやすいと言われています。「人は満潮の時に生まれ、干潮の時に亡くなる」という言い伝えもあります。前述の二十三夜は、二十を省略して「三夜待ち」「産夜」とも呼ばれますが、多くは女性を中心とした講中だったそうです。当時の人たちは、女性の体調が月の満ち欠けや潮の満ち引きと深い関連性があることを経験的に知っていたのかも知れません。

子宝・安産祈願で月待塔の祈りを現代に!

天体に由来する供養は他にもあり、東京・奥多摩町の「奥多摩水と緑のふれあい館」の庭にある日食供養塔のほか、仏教の年中行事で「星まつり」「星供」と呼ばれる星供養などが知られています(後者は和歌山・高野山真言宗別格本山普賢院と、神奈川・川崎大師などが有名)。日食や月食は太陽の再生(生と死の繰り返し)を表わし、仏教の輪廻転生の考えに通じることが根拠とされます。子宝や安産祈願で有名な神社仏閣もありますが、これら月待塔を近場で探してお参りするか、自ら奉納すれば願いが叶うかも知れません。