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なぜ寿陵墓の建立者名(戒名)を朱色に塗るのか

目次

寿陵墓に多く見られる朱色の建立者名(戒名)

2018年4月25日付けの本コラムで、生前に建てるお墓「寿陵墓(生前墓)」の代表的な事例(仁徳天皇陵や武蔵野陵など)と、そこに託された建立者の思い(建立意図)などを説明しました。寿陵墓は、主に霊園に多く建立されていますが、よく見ると、その建立者名(苗字と名前の両方、または名前のみ)が朱色に塗られています。これにはどのような意味があるのでしょうか。

寿陵の先駆者、秦の始皇帝が信じていたものとは

中国三大宗教の一つ、道教(他の2つは仏教と儒教)は、中国古代の神仙思想より発展したものですが、その長生術の一つに霊薬(仙丹)づくり、いわゆる「煉丹(れんたん)術」がありました。霊薬は、丹砂(たんしゃ)(硫化水銀)を主原料とする「金丹」(神丹、大丹など)と呼ばれるもので、これを服用すると不老不死(長寿)の仙人になれると信じられていました。寿陵のルーツは、中国・西安の驪山(りざん)にある秦の始皇帝陵(有名な兵馬俑はその一部)が始まりとされますが、司馬遷が編纂した歴史書『史記』によると、その始皇帝陵の地下には水銀の川がめぐらされていたそうです。つまり、そこには水銀によってもたらされる不老不死の願いが込められていたのです(実際は、人体にとって有毒な物質で、唐の時代に何人もの皇帝が服用し死亡している)。日本の古墳の石棺や木棺を見ると、その内側に朱色の水銀が塗られていることがありますが、これも不老不死の願いを表したもの(あるいは防腐効果のため)と言われています。

朱色で塗るのは、生きていることを表す「血の色」だから?

寿陵墓の建立者名を朱色に塗るのは、これと同じ理由によるものです(本来は戒名の部分だけ塗り、亡くなったら塗料を落とす)。石材店によっては「朱色=血の色で、生きていることを表している」と説明しているところもあるようですが、それは朱文字を入れる(亡くなったら落とす)風習があることをわかりやすく説明するための方便なのかも知れません。いずれにせよ、こうした風習の根底には民俗学でいう「擬死再生」(生前に死ぬ体験をすることで生まれ変わること)の民間信仰があり、それによってこれまでの人生をすべて清算し、新たに健康・幸福・長寿を手にすることを期待して行なわれるものです。残りの人生をよりよく生きるための一種の智慧とも言えるでしょう。