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2018.08.29

時代や地域ごとに異なる魅力を放つ「道祖神」

目次

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人々の生活に根づいた民間信仰の拠り所として

松尾芭蕉『奥の細道』の序文にも登場する道祖神は、村や集落の境界、道辻(十字路)、三叉路などの路傍に立ち、村の守り神や子孫繁栄、あるいは旅行や交通安全の神さまとして古くより信仰されています。中国で紀元前から存在する道の神「道祖」と、日本古来より邪気を祓(はら)う神とされる「みちの神」が融合したものと言われ、時代ごとに民間信仰との習合を繰り返し、「道(どう)陸(ろく)神(じん)」「賽の神」「障の神」「幸(さい)の神」「仁王さん」「タムケノカミ」など地域によって様々な名称で呼ばれています。奈良県明日香村にある飛鳥時代の石造物(石人像)も道祖神と呼ばれており、これは重要文化財に指定されています。

九州・沖縄地方に伝わる辻神との違いは?

鹿児島や沖縄県などに伝わる辻(つじ)神(がみ)は、同じ神でも、辻(現世と来世の境界)にいるとされる魔物(妖怪、悪神)の総称です。これも中国が発祥ですが、道祖神とは対照的な存在で、丁字路の正面突き当たりに家を建てると、辻神がその家に入り込み、病などの不幸が続くとされており、その魔除けとして「石敢(がん)當(とう)(石勘当)」と呼ばれる石を路傍に置く風習が今でも残っています。

素朴で温かみのある表情はインスタ映えにも最適!

道祖神は全国各地に広く分布しますが(出雲神話のある島根県は少ない)、とりわけ甲信越と関東地方に多く、長野県安曇野市は市町村単位で日本一多い(石像道祖神だけで約400体)ことで知られています(長野県松本市も約370体ある)。また本小松石の産地として有名な神奈川県真鶴町も、かつて地場産の石材を江戸まで運ぶ際に海運の無事を祈って道祖神が多く作られた歴史があり、同町と安曇野市は友好親善提携を結んでいます。 道祖神に決まった形はなく、自然石や石碑、石像、五輪塔など様々なものがありますが、石像では男女が並んで握手や抱擁、接吻しているもの、酒気状態のものもあり、周囲の長閑な風景とも溶け込んで、素朴で温かみのある表情が人々の心を癒してくれます。今でも信仰の対象として、あるいは慶事の記念などに新しいものを建てる習慣があり、その時代や地域ごとに異なる作風を楽しむことができます。趣味の写真やインスタグラムの題材としてもお勧めですので、旅先などで見つけてみるとよいでしょう。